映画鑑賞：アナザーイヤー(Another Year)

アナザー・イヤーの予告編(英語版）はこちらをクリック

マイク・リー監督の去年のカンヌ映画祭作品を観てきました。
ロンドン郊外に住む初老夫婦。二人とも仕事をする傍ら庭仕事を楽しむ仲の良いカップル。家庭菜園をする四季を通じて、彼らを取り巻く人々の生と死、友情、孤独、寂しさと様々な愛を描いた美しい映画です。ふとした会話が胸にぐっとくる感じでした。



カウンセラーとして働く妻の勤務先の同僚は、１年の間の気分の浮き沈みが著しい独身女性。自立して、家を持ち、良い仕事も持って、おしゃれして、欲しい物はいつでも得られる。でも、どこか孤独さが漂っていて。本当に彼女が欲しい物は一人じゃないこと。
でも友達だけで解決するのかなぁ。。。

この女性に、夫に出会う以前の自分をつい重ねてしまってじーんっとなったり、夫と顔を見合わせて笑ったりしました。
日照時間の長い夏はとても元気良く、灰色の空、４時で真っ暗になる冬は気持ちまで落ち込む。家族で過ごす欧州のクリスマスってずっと苦手だったんですよね～。季節で気分が変わっちゃう。
結婚し、家族が増えていく友人達を横目に、大好きなロンドンで生活ができる喜びで周りに認められるようにがむしゃらに頑張った２０代、外国に住んでるというだけで華やかそうですが、やっぱり自分で自分を守る為に鎧兜でも被っていた感じ。大昔パブで一人友達を待っていた私におっさんが声掛けてきました。私はキーっという顔をしていたんでしょうね。彼に「ねえちゃん、リラーックス」って言われて笑っちゃいました。

｢結婚せずに何やってるの～、一人でお気楽羨ましい」という外野の声も気にしないようにして、あまり大勢に言う事ではないような失恋も人並みにしました。友達の子供達の成長振りはとても頼もしいけれど、その会話のちょっとにも交じえない自分に違和感があったり・・・出会いって相手がいての事だし、そう簡単な事じゃないんですよね～。恋愛に限らず、友達との出会いもあるし、とても大切にしたいです。