Wednesday, November 18, 2015

新しい映画館の使い方:ロンドンのハムレット




カンヌの地元の映画館は、3軒もあります。こんな小さな街ですが、その中には英語版の上映をしてくれる映画館が1件 あります。地方の映画館なのにありがたい事です。こじんまりしていて上映前に流す地元のCMが何とも渋くて面白いからたまらなくいとおしいです。

さて最近フランスの各地の映画館では、海外からの劇場でのお芝居やオペラ、オーケストラ、バレーなどが、生中継で観劇する事が出来るんです。

こういうの、日本でもあるのかしら?

最近は映画離れもあり、映画のチケットも値上げがありますが、インターネットのお蔭で新しい形の映画館の使い方が出来ているのです。

つい最近、ソフィアアンティポリスの小さな映画館で、ハムレットの生中継を観る機会がありました。
出演は、私のアイドルでもあるベネディクト・カンバーバッチ氏。
中継はこの日だけだったようで、普段はガラガラだという会場は、彼の雄姿を観たいであろうファンで満席でした。

テレビ中継ではなく、ステージの臨場感も伝わってきます。会場にいたら米粒程の小さな俳優を観ていたでしょうが、あちこちに設置されたカメラでクローズアップされた俳優たちの汗も涙も見える程です。
まだシャーロックのドラマが始まる前から、彼の事を注目していた為、こうやって貴重な舞台を観られるチャンスを得られて本当に感激でした。お友達の旦那さまの会社を通じて予約してもらったので、割引もしてもらえてお得なチケットでした。


先日義母がボリショイバレーのジョイという舞台を、同様の生中継で観てすごい感動していた事を話してくれました。カンヌ市内の映画館でもバレーなどの上映をしています。価格は24ユーロとちょっと割高らしいですが、遠い国の舞台を観られるって、すごい素敵なサービスが出来たなと思いました。

10月の出来事

10月が嵐のように去り、11月も中旬です。いったい何をしてきたんだろうか。。。。まるで何もしていないような記憶が遠のいているのですが、実際にはとても忙しい10月でした。

カンヌだけではなく、このコートダジュール周辺を襲った、局地的な集中豪雨から、あっという間に
10月4日の夜の出来事は、夢のような感じです。

外が一体になって、ナイトクラブのミラーボールのようにチカチカして、雷が大嫌いな私は、身体中が緊張して、その夜パーティをする事になっていた友達のお宅へ、土砂降りの中を出かけました。

結局、2時間程の間に、2-3か月分位の豪雨が一度に襲ってきました。
あまりの雨の量に、出かけられないというお友達が電話くれました。
ツイッターを見ると、カンヌ駅の構内はおろか、いつも歩き慣れている道のいたるところが洪水になっているのを知ると、事態はかなり深刻だと、その時初めて知るのです。

地下駐車場なりで、水が浸水してきた為に行き止まりのまま、なくなった方もいると聞きました。
数時間後、雨が小降りになったので家へ戻る事に、その時見たのは、信じられない光景ばかりでした。

ニースマタン誌より:カンヌやコートダジュール圏の集中豪雨の写真

日本の震災の時を思い出しました。何かできる事はないか。そういう思いで当時はヘトヘトに駆け回った気がします。だから豪雨の後、何でも自分でできる事を、出来るときに、できるだけやろうと、いう事にしました。だから皆で力を合わせて、できる事をしてます。

カンヌは国際見本市が多く開かれる為、海外からの訪問者がとても多く、この豪雨の週も沢山海外から日本も同様来られていた企業の方がいらっしゃいました。豪雨の爪痕として、固定電話が一切不通になってしまった為、街の商店やレストランでは、現金のみという不便さが生じ、こういう所でも国際見本市に頼っている街としては、危機管理やビジネスコンティニュイティの改善が必要と言えると思います。洪水でビジネスが続けられない、という商店や企業さんにはお気の毒です。

固定電話や家庭のインターネットは、この豪雨から2週間後少しずつ回復して、今は平常に戻っています。 私はFree社の携帯電話で、通話もインターネットも50GB使えたので、PCと繋げて問題なく使えました。こういう非常時の為にも、携帯電話はなくてはならないツールになっているんだと、実感しました。

神も仏もない

つい先日のパリ連続テロ以来、パリだけではなく各地で緊張した雰囲気になっております。
なんと非情で無意味な行為をしているのでしょうか。

今朝は、パリ郊外のサンデニというスタッドフランス競技場がある周辺で、銃撃戦があった様子。今も、状況や情報が混乱しています。心配してくれてメッセージを送ってくれた家族、友人に本当に感謝します。
シャルリヘブド襲撃、カンヌ水害、連続テロ、TGV脱線事故と立て続けに事故事件で、ついてないフランスですが、きっとどこにでも起こり得る問題なんだろうと思います。これだけの厳重なな警備をしていても限界があるのかもしれません。

フェイスブック上で、ロンドン時代の元上司で友人でもあるSからメッセージが届きました。

一言「じー(私の名前)」

とだけ。
でも、すぐわかったんです。
フランスにいる私の安否を知りたい、でも どういおうか困っているんだと。
彼はとてもまじめなイスラム教徒です。お酒も飲まないし、ラマダンもちゃんとやります。
そこからちょっとした会話が始まりました。

私「ハローS、心配しないで、私は無事だから」と、返信しました。

彼「良かった無事で何より。私達の全ての思いと祈りを君や家族へ送るよ。」との事。じわーっと感動しました。

私「ありがとう、あなた方も気をつけてね。あんなことはどこでいつ誰に降りかかってもおかしくないんだから。それにきっとあなた方のような良い人たちにとっては、きっと大変でしょうね。」

ロンドン時代は、仕事の同僚にイスラム教徒が沢山いて、接する事が多くありました。日本に一緒に出張した際は、外食する度に豚肉や豚のエキスが入っていないかを確認しないと行けなくて、本当に苦労した物です。

こちらフランスに越してきても、ご近所さんでイスラム教徒の 方もいます。ほとんどの人は善良な不通の市民なんです。もっと外国人排除に繋がる可能性が高くなってくるとは思いますが、私達は何が出来るだろうか。