
日本の古い映画を上映する会へ出かけて見ました。
1964年の白黒映画で「砂の女」という不思議な日本映画です。どうやら映画の原作はフランス語や他の言語でも出版された有名な小説のようです。
若かりし岸田今日子が出ています。(って知ってる人います??ちょっと唇厚い女優さん)
内容はちょっと哲学的にパワフルです。
昆虫採集に来た都会の学校教師が砂漠で道に迷い、一晩砂漠内の家に住む女の家に泊まる事になり、そこから下界との繋がりを切断され、砂漠の家に閉じ込められてしまう。砂嵐は毎日家を襲い、自由を失い、限られた中で生活せざるを得なくなる。逃げようとしても部落の監視があったりで、部落と砂の世界の息苦しさで追い詰められていきます。
この映画の会は、色んなタイプの映画を観て、そこで議論するという趣旨だったみたいです。
映画の後、おじさん、おばさんが原作の小説や映画に関わる、日本の社会的背景や社会との関わりとは何ぞや、自由について描いている映画だとか議論をしていました。
その中でも特に印象に残ったのは、砂は色んな人間の感情や社会背景を象徴しているメタフォーになっている。例えば、敗戦、勝てない壁、時には性など。戦後の未来が見えない中にも、希望をどこかに見出そうとしている。そういうことが様々なシーンで現されているのではないか・・などなど。
その他もっと深く文学にも話は進んで、サルトルやらカミュといった作家が自由について、現実を受け入れたとか、あんな事言ったこんな事言った~などと言っていましたが、ちょっと深すぎてよく分かりませんでした。もっとちゃんと理解してたら、私も日本人から観たご意見など、言う事が出来たのかもしれません。でも議論好きなフランス人を覗く事が出来て、とっても有意義な時間でした。
もっと精進してまいります。
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