Wednesday, September 11, 2013

思い出話:ノース・フィンチレーN12

イギリスの土地バブルを受けて、親日家というか日本人の奥さんを持つ大家さんが、クラウチエンドのフラットの家賃を、激しく上げようとしたので、私は引越せざるを得ませんでした。気に入っていただけにすごい残念でしたが、大家さんとしても日本からフラットの諸問題を解決するには限界があり、エージェントを通すべきだと判断したようです。しかも、立ち退きの期限も迫ってくるので、かなり焦って探した覚えがあります。

そして見つけたのが、忙しい仕事の合間に見つけたノースフィンチリーのフラット。というか、小さな田舎の一軒家と言っても良い感じでした。大きなキッチン、ワードローブ、すべて家具付きのアパート。日本で買ってきた、高性能の留守電付コードレス電話を付けたりして、中々快適な生活でした。
裏には芝生がついた庭もあったり、ご近所さんも親切で、お買い物にもとても便利、通勤に多少混雑する所があったけど、まあまあ大丈夫でした。

このあたりは、日本人駐在員さんも住んでたりして、安全なエリアです。ちかくには日系のお魚屋さんもあってお世話なりました。ここからまた北上すると、もっと田舎ぽくなって、とてものどかな雰囲気になります。

私が引越したのは、初夏の気持ち良い季節でした。冬が近づいてくるとわかったことがあります。
  • お風呂のお湯を貯めても、実はたまらない。(栓のサイズがあってなかったー)
  • 一階の家だけに、暖房が中々利かず、あったまらない。
  • やけに湿気を感じる。
ある夜寝ていると、なんだかスースーすると感じて目が覚めると、玄関のドアがきちんと閉まってなくて完全に開けていてびっくりしたことがありました。誰か侵入したのかと焦りました。湿気でドアが膨らんでいるのか、閉まりが悪かったようです。
この当時、海外出張が多く家を不在にする事が多かったので、あまり住んでいる気もしませんでした。だけど、結露もすごいし、やーぱり寒いしおかしいなぁっと色々調べてみたら、冬になってから、ワードローブ内の洋服にすっかりカビが着いていることが分かり、ダメダーと、急遽引越することにしました。大家さんにも、エージェントにも言ったけど埒があきません。

当時アンティークのような、中古のフィアットに乗っていた私は、通勤途中の度重なる故障にも悩まされました。クラッチケーブルが突然キレたり、寒いとエンジンのかかりが悪くチョーカーをガシャガシャ押して引いてをやらないと起動しなかったり、タイヤのパンクが頻繁。そして何よりハンドブレーキが鉄棒で、坂道発進などかなりの頻度で使ってて、左手にあった指輪が変形しちゃってたという事もあり、今フランスでも乗っているスズキの4駆を買いました。

6か月でまたお引越し。出張ばかりで自分に余裕のなかった時代でした。
安住の地はいずこ・・海外で暮らしてて、住処が落ち着かない事ほど心細い事はありませんね。

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