Sunday, February 2, 2014

映画鑑賞・キノタヨ現代日本映画祭

カンヌ日仏協会がシネクロワゼットと協賛で、毎年開かれる映画鑑賞会へ行ってきました。今年は三本のそれぞれのエリアで面白い作品を観ました。
日本で大ヒットという作品じゃないのかもしれないけど、日本語オリジナルで、フランス語字幕なので地元の人と共有することが出来るのがありがたい事です。

「僕の中のオトコの娘」
「苦役列車」
「舟を編む」
の三作品


最初の2作は、アンダーグラウンドな作品だけど、それだけに社会の中で空回りしちゃう若者の姿がとても良く描かれていたと思います。「僕の・・・」は90年代位から問題になっている引きこもりの若者が自分の居場所を探すストーリー。「苦役列車」はバブル時代に何でも手に入れる事が出来ているはずの80年後半に、自分の本当にやりたい事が出来ず、時代に流されている中卒の若者のお話。

最終日は、辞書の編纂という気の遠くなるような作業を通して、他人とのコミュニケーションが苦手な若者の成長と、日本語の美しさ、面白さ、人の優しさなどが描かれていました。さすがに俳優たちの繊細な演技がとっても素敵でした。

キノタヨ現代日本映画祭は、大きな配給会社の作品が来るとは限らないようだけど、毎年パリのこの映画祭の為にフランス語字幕を準備しているという手の込みようで、スポンサーもついてきていて、年々規模も拡大しているそうです。毎年シネクロワゼットと日仏協会で経費を折半して、カンヌへ数作品持ってきています。パリから始まり、フランス各地で上映会があります。

このキノタヨがカンヌで観られるようになって数年が経ちますが、この映画祭を通じて知ったのは、通信を使って映画のファイルを転送されていて、上映される部屋別にロックされ、上映場所、上映回数、など厳しく管理されているんだそう。
昔のニューシネマパラダイスみたいに、いつでもどこでも観るという事はもうできなんだそうです。

作品の選定は、シネクロワゼットの会長さんですが、社会的な時代背景など説明したらとても興味を持って聞いてくださいました。また来年が楽しみです。

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